ココロノトイレ

日々の気持ちを吐き捨てる。また、女らしくなるため日々邁進。フリーターなめるなよ。

何を恋と呼ぶのだろうか

ため息がでる。
乾いたため息ではない。湿度のある暖かい、熱のあるため息だ。

思い出すのは、あたしをビックリさせようとした顔。
あたしの隣に目線を合わせようとしゃがみこんだ姿。
楽しいね、って言ったときの笑顔。
照れた時に顔を右に背ける仕草。
香水をつけてないのに、甘い匂い。

思い出す、という表現は間違いだ。
あたしは彼を思い出したことはないと思う。忘れたことがないからだ。
いつも、何かをしていても、頭の隅にいる。
いや、これも間違いだ。
隅になんていない。真ん中、中央にいる。何かに、真面目に集中していても、中央にいる。

どうしたら、手に入るのだろうか。
どのようにしたら、彼の隣があたしのものになるのだろうか。
側にいたい、側にいて欲しい。ありきたりな言葉と、物欲のような、彼が欲しい、という気持ちが混ざる。
彼には失礼だと思うけれど、あたしは彼が欲しいのだ。
好きで好きでたまらない。欲しくて欲しくてたまらない。
早くあたしの名前を呼んで欲しい。あのいつもの声で、でも少しだけ甘く、呼んで欲しい。
彼も、ため息をついてほしい。あたしの為に、穏やかで、少し甘美な熱の籠ったため息をつけばいい。ついてほしい。



これを、恋と呼ばないなら、何を恋と呼ぶのでしょうか。